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 新型コロナウイルスの感染拡大は、経済的困難を抱える子どもと家族に暗い影を落としている。一斉休校で給食はなくなり、親は仕事に行けなかったり減らされたり。あるシングルマザーは「子どものために会社を休んでいいと言われたけど、時給で働いているから休めば生活できなくなる」という。

 日本の「子どもの貧困」が国内で注目され始めたのは2008年だ。研究者や当事者らが発信し、メディアで取り上げられるようになった。それ以前の朝日新聞でも、国内の子どもの貧困を指摘した記事はなかった。

 翌09年、政府が初めて子どもの相対的貧困率を公表した。07年の数値で7人に1人にあたる14・2%。その後、過去の貧困率も公表され、1985年以降、上昇傾向にあることがわかった。

 ワーキングプア、年越し派遣村などで貧困の可視化も進んでいた。生活保護家庭の子ども学習支援や、虐待や貧困など困難を抱える子どもの居場所づくりなどの活動を支える市民が増える中、13年に子どもの貧困対策法が成立。「生まれ育った環境で将来が左右されることのないよう」にと教育支援に力点が置かれた。

 貧困状態を把握するための25の指標のうち、21が進路や就園など教育関係。生活困窮家庭の学習支援や奨学金など教育費軽減策、学校を窓口とした福祉機関との連携などが進んだ。

 12年の子どもの貧困率は6人に1人の16・3%。15年は13・9%に改善したが、先進国でつくる経済協力開発機構(OECD)の平均13・1%(16年)より高い。

 同法は19年に改正され、将来だけでなく、いま困っている状態をなくすことが目的に記された。指標に、ひとり親の正規雇用割合や食料・服が買えない経験、公共料金の滞納経験など「いまの生活」に着目したものを追加。施策として、親の仕事の安定・向上や所得増に役立つ支援が盛り込まれた。

所得再分配、先進諸国から遅れ

 しかし、地域や学校、医療など子ども支援の現場からはこんな声がよく聞かれる。「勉強を教えたり、一緒にご飯を食べたりするのは私たちでもできるが、所得の保障はできない。政府がやるべき所得保障は不十分なままだ」

 税金や社会保険料で豊かな人により多くの負担を求め、児童手当や生活保護などを通じて生活に困難を抱える人により多くの給付をする「所得再分配」。貧困削減に役立つ政策だが、他国に比べると効果が小さい。

 ユニセフの17年の報告によれ…

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