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 新型コロナウイルスの感染者が多く出ていた中国・武漢から1月中旬に関西空港に到着した中国人女性が、入国直後に発熱などの症状があったにもかかわらずPCR検査を見送られ、後に採取した検体を検査したところ「陽性」だったことが、りんくう総合医療センター(大阪府泉佐野市)の調査でわかった。センターは府を通じて厚生労働省にPCR検査を要請したが、当時、検査にまわす国の基準が厳しく、症状が軽いとして断られた。結果的に患者を見逃すことになった。

 同センターの倭(やまと)正也・感染症センター長によると、女性は家族5人ほどと来日。37・6度の発熱などがあったため同センターで診察を受けた。せきやのどの痛みはなかったが、その後、熱は38度以上に上がった。肺炎の兆候もあった。

 だが、PCR検査をする当時の国の基準は「37・5度以上の発熱とせきなどの呼吸器症状がある」などで、この女性は当てはまらないとして、厚労省が検査を断ったという。女性は翌日から大阪や京都を観光し、28日ごろ帰国したとみられる。

 3月末に同センターがPCR検査の態勢を整え、冷蔵保存していた女性の検体を調べたところウイルスが検出されたという。

 関西で初の感染者が確認されたのは1月28日。この女性のケースはそれよりも10日ほど早い。