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 京都大は6日、様々な体の組織になれるiPS細胞を使った再生医療や、がん、希少疾患などの治療法の効果や安全性を人で調べる臨床研究(治験)を重点的に実施する「次世代医療・iPS細胞治療研究センター」を開設した。こうした病棟を設置するのは国内初だという。

 大学の研究室が細胞や動物の実験で病気の治療法を開発しても、実用化するまでのコストや安全性、人での効果の違いなどから、企業が治験を担って実用化するまでに至らないことも多い。研究開発と実用化の間は「死の谷」と呼ばれ、それを乗り越えるのが狙いだ。

 センターは京大の研究成果と付属病院がもつ病気の情報などを集積し、開発した治療法で有望なものを患者に早く届けることをめざす。京大付属病院の敷地内に専用の病棟を新設し、今年度は15床でスタートし、2021年度から30床に増やす。

 開設にあたり、京大iPS細胞研究所の山中伸弥所長は「研究成果が臨床で使えるようになるのかを評価するためには、臨床研究に精通した医療スタッフが必要不可欠。一日でも早く、できるだけ安価に革新的な医療技術を患者さんに届けられることを祈念している」とコメントを発表し、期待を寄せた。(野中良祐