新型コロナウイルスの感染拡大で外出を控える動きが広がり、在宅勤務中にテレビ会議で使うウェブカメラが品薄になっている。調理器具やゲーム、運動器具といった「巣ごもり」に役立つ商品も売り上げが急増しており、感染対策が新たな消費につながっている分野もある。
在宅勤務用PC「応じきれない」
「必要な機器が当分入手できそうになく、注文に応じきれない」。在宅勤務用パソコン(PC)の設定などを請け負う日本PCサービス(大阪府吹田市)の浜崎慎一取締役はそうこぼす。
PCの修理が本業の同社が在宅勤務の支援を始めたのは3月上旬。多くの大企業はすでに在宅勤務にかじを切り始めていたが、中小企業はまだ手探り状態。PC1台のレンタルとネット回線で約1万円のプランを打ち出すと多い日は10社から問い合わせが入った。
だが、機器の手配に時間がかかり、全てをさばききれない。自宅PCから会社サーバーに入る専用機器やウェブカメラは、商品によっては1カ月以上の入荷待ちだという。
家電量販大手ヨドバシカメラでも在宅勤務の関連商品が飛ぶように売れ、ウェブカメラの2月の販売数は前年の5倍になった。品薄で販売が減った3月も2倍を売り上げており、「商品が入ればすぐ売れる状態」(広報)という。
増産急ぐメーカー各社
カメラ以外でも、ヘッドホンとマイクのセットは販売数が3月に同3・5倍に達し、テレビ会議で使うモニターも同1・5倍に膨らんだ。「ジョーシン」を展開する上新電機やエディオンでも、3月のウェブカメラの販売数が同1・5倍に上ったという。
メーカー各社も増産対応を急ぐ。2月末から2千円弱の手ごろなウェブカメラの売り上げが急増しているエレコム(大阪市)は、「横ばいの市場が急に伸びた。欠品する商品もあり、増産計画をたてている」(広報)と明かす。バッファロー(名古屋市)も3月のWiFi(ワイファイ)の販売数が前月の1・5倍に増えた。理由は「テレワークで速度の速い回線を求める人が増えた」(広報)からという。
■電気調理鍋、ゲームも売れ筋…

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