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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた政府の緊急事態宣言を前に、東京都内にある鳥取県民向けの学生寮が、多くの寮生を鳥取に帰省させた。宣言が出た後では帰省を促すことが難しくなるためという。都市部の学生が帰省した地方で感染が広がるケースもあり、専門家は注意を呼びかけている。

 豊島区にある女子寮「清和寮」は、鳥取県出身で首都圏の大学などに通う学生の施設。鳥取県育英会(理事長・足羽英樹県教委教育次長)が運営する。通常60人ほどの寮生がいるが、うち30人ほどが鳥取に帰省した。この春の新入寮生21人のうち14人もいったん入寮したが帰省し、6人は入寮を見合わせている。残りの1人は入寮している。現在寮内には12人が残っているという。

 竹ノ内誠一寮長によると、マスクや消毒用アルコールは今のところ備蓄があるが、新たに入手できない。竹ノ内寮長は「緊急事態宣言で外出自粛となった後、公的な施設である寮が帰省を促すわけにはいかない」として、感染者が出ていない鳥取への早期の帰省を促したという。

 世田谷区にある男子寮「明倫館」でも新入寮生25人中、13人が入寮を見合わせたり、入寮後帰省したりしたという。

 感染症に詳しい森島恒雄・愛知医科大客員教授は「感染が拡大している東京や大阪などの都市から帰省する学生は感染リスクを伴う。地元で感染を広げかねない危険がある」と指摘。帰省後の2週間は自宅待機するなど注意を呼びかけている。感染が相次いで確認された京都産業大学(京都市北区)では、学生が富山県などに帰省して、感染が広がるケースもあった。(長崎緑子)