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 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、政府が7日に決めた緊急経済対策は二段構えとなっている。拡大の収束のめどがたつまでは収入が減った人たちの生活を支え、収束後に消費を喚起して経済を急回復させるというシナリオだ。主な項目の仕組みをまとめた。

減収世帯に30万円の現金

 収入が大きく減った世帯には30万円の現金を給付する。対象は、2~6月のいずれかの月で収入が減り、年間ベースの所得が住民税非課税の水準(4人家族で270万円ほど、単身で100万円ほど)になる世帯か、収入が半分以上減って年間で住民税非課税の水準の2倍以下になる世帯だ。

 減収を確認する手続きを簡単にし、困っている人にお金が早く届くように自己申告制とする。減収の証明の仕方については、月ごとの収入にばらつきのある人や、就業まもない人などもいるため、今後制度を詰める。また、申請者や窓口となる市町村の事務負担をできるだけ減らすため、システムを整備してオンラインで申請できるようにする。5月の給付開始をめざす。

 給付金は非課税で、新型コロナの影響でも受給額が変わっていない生活保護受給者は対象外となる。

中小企業に200万円、個人事業者に100万円

 売り上げが減った中小企業に最大200万円、フリーランスを含む個人事業者に最大100万円を給付する制度を設ける。返済のめどが立たず、新たな借り入れができない企業などの資金繰りを助ける狙いだ。

 対象は売り上げが今年1~12月で、前年同月に比べて50%以上減った月があった中小企業や個人事業者。50%以上減った月の売り上げが1年続いたと仮定し、前年の売り上げとの差を限度内で給付する。

 事業者は、売り上げが減ったことを証明する書類を事務局に提出し、確認を受けた上で給付を受ける。経済産業省はこれから事務局を立ち上げ、電子申請のシステムを整えた上で申請を受け付ける予定。給付金を受けられるのは早くて5月末になりそうだ。

 地銀や信用金庫など民間金融機関で無利子・無担保で融資を受けられる制度もつくる。都道府県と信用保証協会が行う「制度融資」の枠組みを使う。

「無利子保証人なし」の貸し付け、継続

 生活資金に困窮する世帯に対し、「無利子」「保証人なし」で貸し付ける特例措置が3月下旬から始まっており、その継続も盛り込まれた。

 2種類あり、一つは主に休業している人向けの「緊急小口資金」。緊急かつ一時的な生計維持のための資金として、最大20万円が借りられる。最長1年の返済猶予期間をへて、返済期間は2年以内とされている。

 もう一つが、主に失業者向けの「総合支援資金」。2人以上の世帯で月20万円以内、単身なら月15万円以内で、最大3カ月分を借りられる。最長1年間は返済が猶予され、返済期限は最長10年以内とされている。

 二つとも返済の時点で所得減少が続いて住民税が非課税の世帯には、返済が免除される。受付窓口は市区町村の社会福祉協議会だ。

児童手当、1万円上乗せ

 子育て世帯への支援としては、中学生までの子どものいる世帯に配っている児童手当の支給額に、子ども1人あたり1万円を上乗せして臨時給付する。児童手当は3歳未満の子どもがいる世帯には子ども1人あたり月1万5千円、3歳~中学生までの子どもがいる世帯には1人あたり月1万~1万5千円を支給している。内閣府によると、臨時給付は1回のみで、6月をめどにできるだけ早い時期の支給を目指すという。

収束後、大規模な消費喚起キャンペーン

 売り上げが急減した観光や飲食、イベント・エンターテインメントの事業者を支えるため、感染拡大が収束した後に大規模に消費を喚起する「Go Toキャンペーン」を実施する。

 旅行会社などでツアーを申し込んだ場合に、代金の半額相当を国が負担する。宿泊代のほか旅行先で飲食や土産物の購入などに使えるクーポンも含み、国の補助額は1人あたり1泊最大2万円分になる。予約サイト経由で飲食店を利用した場合には、1人あたり最大千円分のポイントを与えたり、あらかじめ登録された飲食店で使える2割引きの食事券を発行したりする。

 チケット会社でイベントやエンターテインメントのチケットを買った客には、代金の2割相当を国が負担する。キャンペーンは半年ほど続け、1人何回でも利用できる。今後、キャンペーンを行う事務局を設けて全国から参加事業者を募る。

雇用調整助成金を拡充

 失業する人が続出する事態を防ぐため、休業手当の一部を企業に助成する「雇用調整助成金」は拡充する。助成率をリーマン・ショック時と同じ3分の2(中小企業は5分の4)、さらに1人も解雇しないなどの条件を満たせば最大で4分の3(中小企業は10分の9)まで引き上げる。

 この助成金は、売上高や生産量が減っても、従業員を辞めさせることなく休業手当を支払って雇用を維持した企業が対象だ。感染予防などのために会社が指示をして仕事を休ませる場合、会社は労働者に平均賃金の6割以上を休業手当として支払う義務がある。違反すれば罰則もある。

今年度中に全小中学生に「1人1台」

 休校が続く子どもの学ぶ機会を保障するため、2023年度末までに全国の小中学生が「1人1台」のパソコンやタブレット端末を使えるようにする「GIGAスクール構想」の目標を今年度内に前倒しし、自宅に持ち帰って家庭学習に使えるようにする。ICT環境のない家庭にモバイルルーターを貸し出すため、自治体に補助金を出す。

 感染症対策として、全校の小中高校生や教職員に1人2枚の布マスクを配布。家計が急変した学生の授業料を減免し、修学旅行の延期・中止で発生するキャンセル料の一部を支援する。

 また、新型コロナウイルス感染症の治療薬やワクチン開発のための大学の研究や、大学病院の医療機器整備も支援する。