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 米原子力空母内での新型コロナウイルスの感染拡大を訴えた艦長の解任が、米国で波紋を広げている。「乗組員の命を守った」と艦長を英雄視する見方も強まっており、「ナイーブか愚かだった」と異例の強いトーンで艦長を批判した海軍トップは7日、辞任に追い込まれた。

 解任されたのは、太平洋に展開中だった原子力空母セオドア・ルーズベルトのクロジャー艦長。同空母は3月上旬にベトナムに寄港後に集団感染が発生し、国防総省によると、6日までに約4800人の乗組員のうち173人の感染が確認された。クロジャー氏は3月末、米軍幹部に宛てた4ページの文書で、艦内で加速度的に感染が広がっていると指摘し、「我々は戦争中ではなく、兵士らが死ぬ必要はない」として、大多数の乗組員を下船させて隔離する「断固たる行動が必要だ」と訴えた。

 この文書は複数の米メディアも入手し、大きく報道した。これを受け、モドリー米海軍長官代行は2日、クロジャー氏の解任を発表。理由として、「機微な情報を含む文書を米軍上層部以外を含む20~30人に同送した」ことを挙げ、「極めて稚拙な判断だった」と批判した。

解任されても…乗組員は拍手喝采

 だが、艦内の受け止めは違ったようだ。3日には、解任されて空母を下船するクロジャー氏に向けて、何百人もの乗組員が「クロジャー艦長! クロジャー艦長!」と連呼しながら拍手喝采を送る動画がツイッターなどに投稿された。自らの立場よりも、乗組員の安全を重視した姿勢に感謝を示したとみられる。米メディアによると、クロジャー氏自身も感染が確認されたという。

 また、空母内で新型ウイルスの感染が拡大しているという異例の危機対応の最中に、調査も経ずに艦長を解任したことにも、強い疑問の声が上がっている。ワシントン・ポストは「指揮官を萎縮させ、政治指導者に忖度(そんたく)して悪い情報を上げなくさせる、間違った介入だ」などと批判する元米海軍幹部6人の声を伝えた。

 解任には、トランプ米大統領の…

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