「不要不急なら来ないで」宣言から一夜、警戒の周辺地域

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緊急事態宣言が出て、人がまばらな大阪市内=高橋伸竹撮影
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて出された緊急事態宣言。対象となった首都圏など7都府県では8日、ビジネス街や繁華街は人影もまばらで、閑散とした風景が広がった。

 九州最大の商業地・福岡市の天神では、通勤ラッシュの時間帯も人が少なく、行き交う路線バスにも空席が目立った。デザイン関連会社に勤める福岡県大野城市の会社員男性(61)は「いつもより人が7~8割少ない」と驚いた。

 昼すぎの大阪・ミナミ。名店が集まる法善寺横丁は、臨時休業の貼り紙をしている店が目立った。和食店の男性店主(66)は「7日の夜は2組しか客がいなかった。観光客が激減している中で宣言も出て、見通しが立たなくなってつらい」。9日から4月下旬まで休業するという。

 銀行や証券会社などが立ち並ぶ大阪・北浜も人通りは少ないが、出勤せざるを得ない人たちも。IT関連企業の支店長の男性(56)はATMのメンテナンスが主な業務。「不具合は毎日起きる。1日2~3カ所回る仕事だから、リモートワークはできない」

 兵庫県大阪府にスーパーなどを展開するコープこうべ(神戸市東灘区)は8日から当面の間、全99店舗で開店後の30分間を高齢者や障害者、妊産婦を優先する「専用時間」とした。緊急事態宣言が出されても安心して買い物をしてもらうための措置だ。

 地下の食品売り場が営業していた千葉県柏市の高島屋柏店では、買い物客がレジで一定の間隔を保てるように、立ち位置が分かる線を引いた。買い物かごも、この日から店員が交代で消毒した。午前中は混雑したが、午後はいつもの平日と比べて客は少なめだったという。埼玉県越谷市の商業施設「イオンレイクタウン」もスーパーなどを除いて専門店街が臨時休業になり、周辺は人がまばらだった。

 宵の口の東京・歌舞伎町も、静まりかえっていた。飲食店やカラオケ店の多くが臨時休業。風俗店を紹介する無料案内所はシャッターを下ろしていた。ネオンが消え、店から漏れる照明も少なく、道は暗い。「街が死んじゃったみたいでしょ」。焼き肉店の呼び込みをしていた40代男性はあきらめ顔だった。7日の客はゼロだったという。

 焼き鳥店にいた男性会社員(27)は、友人の店を応援するために訪れた。「つぶれそうだからと言われて。人がいないから逆に『三密』にならないと思った」と話した。

各知事が続々メッセージ

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の対象となった首都圏と関西、福岡の7都府県からの来訪を自粛するよう求める声が自治体から相次いでいる。感染拡大のリスクを抑えたい考えだが、自治体側も対象区域の住民も、ジレンマを抱えている。

 7都府県から訪れる人は、2…

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