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 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、路上で生活する人たちまで支援の手が届かないことを心配する声があがっている。マスクは手に入らず、炊き出しを中止する動きも。景気が悪化し、職や住み家を失う人が増えかねないとの懸念も高まっている。

くすんだ色のマスク、「大事に使っているよ」

 4月初旬の夕方、東京・隅田川沿いの公園で段ボールを敷いて座り込んでいた60代の男性は、くすんだ色のマスクで口元を覆っていた。1カ月前に、支援団体からもらった2枚のうちの1枚という。「次はいつ手に入るか分からないから、大事に使わせてもらっているよ」

 手元のラジオからは、感染の拡大やマスク着用の必要性についての情報が繰り返し流れてくる。しかし持っているのはほかに、路上で拾った2枚のみ。公園の水道で毎日、せっけんを使って洗っているという。「こういう立場だけど、世の中でみんな気をつけているときだし、自分も気をつけたい」と男性は話す。

 一方で、マスクを着けない路上生活者も多い。マスクはなかなか出回らず、同じ公園にいた70代の男性は1枚も持っていなかった。「着けていると、息苦しくなっちゃうし」

 支援団体もマスクを配っているが、数には限りがある。東京・池袋を拠点に路上生活者を支援する特定NPO法人「TENOHASI」と国際NGO「世界の医療団」でも、3月中旬から生活困窮者1人につき3枚のマスクを配ってきたが、いまは1枚ずつに絞っているという。

 安倍晋三首相は1日、布マスクを全世帯に2枚ずつ配ると表明。マスク不足対策として「極めて有効」と強調するが、ポストに届ける方法では、特定の住所を持たない路上生活者やインターネットカフェで寝泊まりする人たちは受け取れないと懸念されている。

「路上生活者の集団感染のリスク」医師が懸念

 TENOHASIの清野賢司事務局長(58)は「感染拡大は長期化しそうなので多くのマスクを配っていきたいけれど、我々も新規の確保は難しい。足りなくなってしまわないか心配だ」とこぼす。

 生活困窮者を支援している一般社団法人「あじいる」の代表で、内科医でもある今川篤子さん(56)は、路上生活者が集まって寝ている地域もあり、集団感染のリスクにも注意が必要だと指摘。「ホームレスの方は感染しても気づかれにくい。持病を抱えている人も多く、感染すると急速に重篤化する可能性がある」と懸念する。

炊き出し、ネットカフェ・・・なくなる頼みの綱

 感染のリスクがあることから、…

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