10%超のマイナス成長も 元日銀委員がみるコロナ危機
聞き手=寺西和男
新型コロナウイルスによる経済の落ち込みを食い止めようと、日本銀行など各国・地域の中央銀行は足並みをそろえて大規模な金融緩和を行い、大量の資金を市場に流し込んでいる。米国では米連邦準備制度理事会(FRB)が一気にゼロ金利への回帰や量的緩和の再開にまで踏み切った。コロナ問題を金融危機につなげないために何が必要か。元日銀審議委員で野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストに聞いた。
――コロナ問題の国内経済への影響は。
「当初のインバウンド(訪日客)需要の落ち込みにイベント自粛などが加わり、今後は欧米の経済悪化が輸出の減少を通じて悪影響を及ぼす。安倍晋三首相の緊急事態宣言による一段の外出自粛でさらに経済活動が落ちるため、今年4~6月期の実質成長率は年率換算で10%以上のマイナスになるのではないか」
―2008年のリーマン・ショック級の危機になるとの声もあります。
「リーマンは金融システムの…

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