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 北海道千歳市のグループホーム「ぬくもりの里」でクラスター(感染者集団)が発生していた。8日に入居者2人の感染が判明していたが、新たに9日、入居者6人と介護していた職員1人の感染が確認された。先に感染が判明していた2人のうち、70代の女性が死亡した。

 運営するサンボウ(札幌市)の小林正樹代表によると、ホームは3階建てで、1階と2階にそれぞれ認知症の9人が入居。感染した入居者8人はいずれも、1階で暮らしていた。今のところ、2階の入居者は感染が確認されていない。

 食事や身の回りの世話は介護職員15人が交代であたり、感染した女性職員は基本的に1階で働いていた。

 各階には個室が9室あるが、入居者は各階の共用スペースで食事をしたりテレビを見たりして過ごすことが多かった。冬場は風邪やインフルエンザの心配があり、外出することはほとんどないという。

 ホームは2月20日ごろから、家族らとの面会を制限し、4月1日から全面禁止にしていた。道は、入居者は3月中に外部からの接触で感染したとみて、職員に加え、入居者の家族や出入り業者にも対象を広げて検査する。ただ、職員は出勤前に検温し、勤務中はマスクを着けていた。頻繁に消毒し、「室内に消毒液の臭いが漂うほどだった」という。

 死亡した70代の女性は3月29日、高熱を発した。その後、同じ1階の入居者が相次いで発熱した。女性職員は4月に入って症状を訴えたため、自宅待機していた。いずれも軽症という。1階と2階の入居者はイベントなどで一緒に外出するほかは交流がほとんどなかった。

 小林代表は「職員一丸となって頑張ってきたが、このような事態となり心が痛み、言葉がない。関係機関の指導を受けながら残された方の生活を守っていきたい」と話した。

 道高齢者保健福祉課によると、道内のグループホームは計998カ所。このうち札幌市に262カ所、旭川市に83カ所、函館市に48カ所ある。道は、グループホームを含む社会福祉施設などの利用者や家族に対し、37・5度以上の発熱がある場合の面会を控えることや、面会時間を最小限にすることを通知している。(志田修二、斎藤徹)

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 〈グループホーム〉 介護が必要な認知症高齢者のための共同生活住居。職員が入浴や排泄(はいせつ)、食事などの介護や、日常生活の世話をする。室内は、個室と、共同のトイレや浴室、食事などができる共用空間からなる。