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 11月の米大統領選に向け、バーニー・サンダース上院議員(78)が民主党の候補者指名争いから撤退表明し、ジョー・バイデン前副大統領(77)がドナルド・トランプ米大統領(73)に挑戦する構図が固まった。新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、異例ずくめの選挙となりそうだ。(ワシントン=園田耕司、ニューヨーク=藤原学思)

弱さにつながった「強み」

 「良いニュースを皆さんに届けたいが、皆さんは本当のことを知っていると思う。(我々の)勝利への道は事実上閉ざされた」。8日午前、サンダース氏はネット中継で、大統領選からの撤退を表明した。

 公的な国民皆保険の実現、公立大学の無償化、学生ローンの免除――。「民主社会主義者」を自称するサンダース氏は「バーニー旋風」を巻き起こした2016年の大統領選に続き、格差是正に焦点を当てた革新的な政策を打ち出し、若者らに絶大な人気を誇った。小口献金に支えられた草の根の選挙戦を展開し、2月下旬までの予備選ではバイデン氏に先行した。

 だが、熱烈な支持層という「強み」は、「弱さ」にもつながった。サンダース氏は候補者争いでリードしても民主党執行部を「エスタブリッシュメント(既得権益層)」だとして批判し続け、党内での支持を広げようとしなかった。

 民主党内でも、「サンダース氏の政策では無党派層や共和党穏健派が敬遠し、トランプ氏に勝てない」という懸念が強かった。2月末にあったサウスカロライナ州の予備選でバイデン氏が勝利すると、穏健派の候補は相次いで選挙戦からの撤退とバイデン氏への支持を打ち出し、サンダース氏への包囲網を作りあげた。

 3月3日の「スーパーチューズデー」を境に、サンダース氏は獲得代議員数でバイデン氏に逆転され、10日と17日にあった予備選の大半でも大差で敗れた。

 4年前の民主党の候補者争いでサンダース氏は、ヒラリー・クリントン元国務長官を逆転できる見通しがなくなった後も選挙戦を続け、「信念の政治家」をアピールした。米メディアによると陣営内には「今回もそうすべきだ」という意見もあったというが、新型コロナウイルスの感染拡大という未曽有の危機がサンダース氏の行動を変えた。

バイデン氏、関係改善急務

 決定的になったとみられるのは、7日に中西部ウィスコンシン州であった予備選だ。民主党の州知事の延期要請を、州議会で多数を占める共和党が受け入れなかった結果、民主党支持者らはマスク姿で投票所に長蛇の列を作らざるを得なかった。この姿が繰り返し報じられた翌朝、サンダース氏は撤退を表明した。

 予備選がまだ終わっていない段階の撤退でもあり、サンダース氏の支持者には「民主党執行部によって追い込まれた」という感情的なしこりが残っている可能性がある。バイデン氏としては、関係改善が急務だ。

 サンダース氏は8日の撤退表明で「我々の選挙戦は終わるが、我々のムーブメントは終わらない」と述べ、引き続き政策の実現を目指す考えを強調した。バイデン氏も、サンダース氏の支持者に「皆さんが必要です。一緒にトランプ氏を打倒しよう」と呼びかけた。米メディアによると、両氏は近日中に政策合意を出すことを検討しているという。

■トランプ氏の「バーチャル選挙…

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