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 埼玉県の大野元裕知事は9日、新型コロナウイルスの陽性患者の入院先として確保したとしていた一般病床約150床のうち、およそ3分の2は、実際に患者が入院できる態勢ではなかったことを明らかにした。実際は47床しか利用ができなかったという。県は新たな移送先の確保を急ぐが、陽性患者が急増する中、準備不足が露呈した格好となった。県庁で記者団の取材に答えた。

 大野知事は、一般病床の多くを確保できなかった理由について「一番大きいのは人。単に看護師や医師がいればよいわけではなく、感染予防の研修が必要になっている」と述べ、受け入れる医療機関の医療スタッフの態勢が整っていなかったと説明した。ただ、態勢が整っていない医療機関に対し、改めて利用できるよう協力を求める考えも示した。

 病床確保をめぐっては、県は3月、新型コロナウイルスの感染者の急増に備え、呼吸器科などを設ける県内約120の病院に対し、受け入れができるかどうか調査を実施。同月末までに、一般病床約150床を確保し、感染症の専門病床と合わせて計約225床を確保したと対外的に説明していた。

 陽性患者の移送をめぐっては、県は原則、軽症者や症状がない患者でも医療機関に入院してもらう方針だが、この方針と異なり、9日現在、99人の陽性患者が入院できず自宅待機中。一般病床の受け入れが不十分だったため、県方針と異なる状況になっていた。

 県は陽性患者の移送先としてホテルなど民間施設が利用できないか検討中。大野知事は「可能な限り早く入っていただけるようにしたい」と述べ、調整を急ぐ考えを強調した。(釆沢嘉高)