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 ミャンマーのイスラム教徒ロヒンギャの問題をめぐり、ミャンマー政府は国営紙上で9日、「ジェノサイド(集団殺害)条約」を守り、違反行為を報告するよう国民に命じる声明を出した。ミャンマーは同条約に違反したと訴えられ、国際司法裁判所(ICJ)から1月、ロヒンギャ迫害を防ぐよう対処を命じられていた。声明でICJに従う意向を示したものとみられる。

 声明では国民に、ジェノサイド条約にある「特定集団に危害を加える行為」に加担することを禁じ、条約違反の情報を得たらすぐに政府に報告することを求めた。さらに、ロヒンギャが多く住むラカイン州北部で、迫害を示す証拠を破壊したり取り去ったりすることを禁じた。

 約70万人のロヒンギャ難民がバングラデシュに逃げたことを受け、ミャンマーは昨年11月、西アフリカのガンビアから「ロヒンギャへの迫害」による同条約違反でICJに訴えられた。ICJは今年1月23日に「仮保全措置」として、ロヒンギャへのジェノサイドにつながる行為を防ぐ措置をとるようミャンマーに緊急的な命令を下し、これについて4カ月以内に報告するよう求めていた。

 ミャンマー政府は「訴訟戦略」(政府幹部)などとして、これまでICJの命令に応じるかどうかを明らかにしてこなかった。今回の発表でも、証拠保全について「(ミャンマー政府による)『独立調査委員会』の今年1月の報告書に基づく」としているが、5月の報告期限を前に、ICJの要求に応じる姿勢を示したとみられる。(バンコク=染田屋竜太)