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コロナ法律相談 回答:谷真介弁護士

 新型コロナウイルスが、社会や経済をも急速にむしばみ始めています。新型コロナによって身の回りで起きる様々な問題について、各分野の専門家に記者が解決策を聞きました。(聞き手・平賀拓哉)

 Q ある会社から内定をもらっていたのに、コロナウイルス感染拡大で、内定を取り消されました。

 A 内定の段階で労働契約が成立しますので、内定取り消しは基本的に解雇と同じです。

 内定者が採用決定の際、重視された最終学歴や資格などを詐称したとか、大学を卒業できなかったといった事情があれば、契約の前提となる条件に違反したことになり、内定を取り消すことができます。一方、会社側の事情での内定取り消しは原則として無効です。

 かりに新型コロナの影響で会社が倒産しかねない状態であっても、取り消しが認められるためには、①内定取り消しの必要性や②会社が内定取り消しを回避する努力を尽くしたか、といった要素をふまえて妥当性が厳しく判断されます。

 一方、会社が内定者に内定辞退を勧めるケースもあります。仮に会社側からそうした勧めを受けても安易にその場で同意すべきではありません。家族や弁護士などと相談してください。

 新型コロナの感染拡大を受け、政府が主要経済団体に対し、新卒の採用内定者に「特段の配慮」を要請し、企業も安易に内定取り消しをしないことが求められています。なお、厚生労働省は同一年度内に10人以上の内定を取り消すなど一定の条件に該当した企業名を公表しています。

 会社側が話し合いに誠実に応じない場合、取り消しは無効だとして内定者の地位確認を求める訴訟を起こしたり、損害賠償を求めたりすることもできます。

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〈たに・しんすけ〉2007年弁護士登録。大阪弁護士会の労働問題特別委員会前副委員長で、日本労働弁護団常任幹事。労働者側の立場で労働問題に取り組む。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。

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 新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

労働に関する相談窓口やQ&A

・新型コロナウイルス感染症に関する特別労働相談窓口(各地の労働局)

・なんでも労働相談ホットライン(連合)0120・154・052、平日午前10時~午後5時半

・新型コロナウイルスに関する事業者・労働者等向け無料電話相談(大阪弁護士会)06・6364・2046、平日午前10時~午後4時

・新型コロナウイルスに関するQ&A(厚生労働省)https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html別ウインドウで開きます

・新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(日本労働弁護団)http://roudou-bengodan.org/topics/9247/別ウインドウで開きます