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 新型コロナウイルスの感染の拡大が続く中、感染者や周りの人たちへの偏見や差別が広がっている。東京電力福島第一原発事故の後、被災地の怒りや悲しみを地元から発信した詩人の和合亮一さんには9年前の状況と重なって見える。「見えない恐怖」に正しく向き合い、「自分で考える物差しを持って」と訴える。

拡大する写真・図版インタビューに応じる詩人の和合亮一さん=2020年4月8日午後8時9分、福島市、飯島啓史撮影

 ――2011年3月11日、福島第一原発から50キロ以上離れた福島市で東日本大震災を経験した。

 「事故の後、沿岸部などに避難指示が出され、街が封鎖された。私の住む福島市でも『不要不急の外出』を避けるよう呼びかけられ、買い出しの際にはみんなマスクを着け、放射能の見えない恐怖におびえていた。『この土地は元に戻らないんじゃないか』『自分や家族も隔離されるんじゃないか』との声も聞いた。街には終末感が漂い、先の見えない不安や怒りがあふれ、ツイッターに『放射能が降っています。静かな夜です』と投稿した。外出できずに他人との対話もままならない中で、ツイッターを通して言葉を投げかけることで、心のバランスを保っていた」

 ――原発事故から9年が過ぎても、風評被害は続いている。

 「震災から数カ月の間、県外で人に会うと、『福島の人とわかるように名札をつけてください』と言われ、ホテルの入り口に『福島の方お断り』と貼り紙がされたと聞いた。長い間、農家が『福島のお米はダメ』と取り扱いを断られたとの話を耳にした。風評被害は受けた人の心を傷つけ、実体のない恐怖も植え付ける。震災と原発事故で身をもって経験した」

拡大する写真・図版インタビューに応じる詩人の和合亮一さん=2020年4月8日午後8時9分、福島市、飯島啓史撮影

 ――今回も新型コロナウイルスという「見えない恐怖」だ。

 「共通する点も多いが、性質の…

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