飲み屋が軒を連ねる東京・赤坂。ある焼き肉店は、都の要請に応じて、11日から閉店時間を午後11時から午後8時に変更することにした。店主の男性(59)は「迷っていたが、営業短縮で協力金がもらえると知って安心した」。周りの居酒屋が営業するなかで休業すると、忘れられてしまう不安がある。テイクアウトも始めた。「不安は尽きないけれど、なんとかやっていきます」
JR新橋駅近くのある焼き鳥屋の夜の営業は、通常午後5時からだ。経営する西田祐介さん(34)は「(8時まで)3時間だけ営業するのも現実的ではない」。テイクアウトも始めたが、採算がとれない。「ランチ営業もやるか、いっそのこと休業にした方がいいか」と悩む。
渋谷センター街のビルにある甘味屋は5日から夜の営業をやめたが、ランチは続けている。「おなじみのお客様がいるから」と経営者の本田紀子さん(79)。売り上げは以前より9割減だという。「(一律に)営業をやめてくださいと言われたほうがいい。あいまいに感じる」
一方で、JR新橋駅近くの居酒屋の男性店主(57)は、酒の提供を午後7時までとする要請について「とてもじゃないが従えない」と反発する。「まったくもってナンセンス。一番混む時間帯に終われとは、死ねと言っているようなもの」
家賃だけで月30万円。光熱費、人件費を合わせると月に約150万円の経費がかかってきた。都からの感染拡大防止協力金50万円は「少ないと思う。一律ではなく、売り上げに応じて支払うべきでは」。すでに客は激減しているが、「店を開けていた方が少しでも生活の足しになる」と話す。要請後も10時ごろまでの営業を当面続けるつもりだ。
赤坂の中華料理屋の40代の店主も、要請に従わない考え。「赤坂は夜にぎわう街。8時、9時から飲みに来る人も多い」。今までのように客がいる限り、何時まででも営業するスタイルを続けるという。
一方、すでに休業を決めていたのに、都の要請が営業時間短縮となったことへの戸惑いの声もある。
ある大手外食チェーンでは…
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