拡大する写真・図版利用者が触れるドアのノブも丁寧に消毒する「きりしき共同作業所」の支援員=さいたま市

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 新型コロナウイルスの感染拡大は、予期しない日常の変化に不安を感じやすい障害のある人や、暮らしを支える支援者らにも大きな影響を及ぼしています。感染リスクを下げる対策と、生活を守り社会参加を実現する居場所の確保を模索する福祉現場を訪ね、専門家にもどうすればいいかを聞きました。

自衛策、容易でない人も

 埼玉県川口市にある「みぬま福祉会」は3月から、通所施設6カ所に通う約150人のうち約60人が交代で自宅待機し、入所施設3カ所で暮らす計約130人のうち約40人も、交代で一時帰宅をしている。

 利用者のなかには、身体障害があって手を洗うのが難しかったり、知的障害があってマスクをなぜ着けなければならないかわからず拒んだりする人もいる。手助けなしで、自分で予防するのは容易ではないという。

 糖尿病などの基礎疾患があり、感染すれば重症化しやすい人も。密集のリスクを避ける帰宅策だが、職員不足のなかで少しでも手厚い介護をするためでもある。必要な人には、職員が自宅に行き、リハビリなどにあたるが「自宅で介護する家族も限界になっている」と高橋孝雄理事長(65)。「いつ集団感染が起きても不思議ではない不安と緊張の中にいる。支援崩壊につながりかねない」

 様々な社会活動の停滞は、障害者が働く現場も直撃している。

 7都府県に緊急事態宣言が出された4月7日、「きりしき共同作業所」(さいたま市)は感染防止対策を強めた。感染リスクと並んで心配なのは、パンの販売先の激減だ。

 年間の売り上げは約2200万円に上り、時給560円の工賃などにあてている。だが販売先の県立高校の休校、介護施設での来訪の禁止、イベントの中止で、3月の売り上げは目標の180万円を約30万円下回った。社会参加で得られる生きがいにも影響しかねない。さらに13日から対面販売は休止し、売り上げは半減する見込みという。

作業所のパン売り先も激減

 利用者は主に精神障害のある18~75歳の男女で、多くが単身者。「工賃が払えなくなれば、生活と命に直結しかねない。精神面や体調への影響も心配」と南部靖施設長(59)。利用者の女性(55)は「作業所に行くことで生活リズムが整い体調も管理できる。ちゃんと働ける自信にもなる。休業してほしくない」。

拡大する写真・図版きりしき共同作業所で、パンをつくる精神障害のある男性(右)と支援員=さいたま市

 利用者や親たちの不安も…

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