「切り捨てられた」居酒屋、嘆きの声 短縮営業要請の中

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 新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうと、東京都が事業者に求めた休業や営業の短縮。初日の11日、その影響は都心から少し離れた飲み屋街にも及んでいた。余波はどう広がっているのか。各地を歩いた。

 飲食店は午後8時までの短縮営業、酒類の提供は午後7時までと求められた。

 荒川を挟んで埼玉県と隣接する東京都北区のJR赤羽駅前。千円でほろ酔い気分が味わえる「せんべろ」で有名な一番街商店街は、いつもなら土日の昼間でも酔客でにぎわう。

 正午すぎに訪れると、シャッターの下りた店が目立った。休業を伝える貼り紙の一つには「生きていれば、色々あります」。それでもいくつかの居酒屋は営業しており、まばらだが客の姿があった。

 ハイヤー運転手の男性(59)は午前中の勤務を終え、焼き魚と冷ややっこをつまみにビールを進めていた。この店の常連だが、来たのは約2週間ぶりだという。店の入り口は道路に向かって開放されており、「(密閉、密接、密集の)『3密』ではないので安全」と考えたという。「店が心配だった。堂々と飲める日が早く来てほしい」

 店によると、7日に緊急事態宣言が出てから、客足はいつもの3~4割にまで減った。でも休業は選ばなかった。都の要請に従い、未明までだった営業時間を短縮して店は続ける。スタッフの一人は「補償のスピードが遅いので、何もしないわけにはいかない。マイナスを少しでも減らすためには営業するしかない」と言葉少なに話した。

■売り上げ、普段の2割…

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