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 新型コロナウイルスに感染して重い肺炎になった患者53人に、エボラ出血熱の治療薬として開発された「レムデシビル」を使ったところ、68%で症状が改善したことがわかった。日米などの研究チームが米医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)に発表した。

 対象としたのは、通常の呼吸では肺から十分に酸素を取り込めなくなった患者。日本の医療機関で治療を受ける9人と、アメリカ、ヨーロッパ、カナダの計53人に10日間、レムデシビルを使った。開始から28日目までの治療成績では68%にあたる36人で呼吸状態が改善した。25人が退院した一方、7人が死亡、6人は依然重症だという。

 レムデシビルはエボラ出血熱の治療を目的に開発された。試験管レベルの実験で新型コロナウイルスの増殖を抑える効果がわかっている。

 ただヒトでの効果を判断するには、薬を使う患者と使わない患者を無作為に分けて治療結果を比較する試験(RCT)が必要だ。今回の報告とは別に、米日韓などが約400人を対象にこうした試験を進めている。今回は患者全員にレムデシビルを使っており、チームは「効果の測定にはRCTが必要」としている。

 論文は(https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2007016?query=RP別ウインドウで開きます)で読める。(三上元)