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 作家・小川糸さんの小説「ライオンのおやつ」。全国の書店員が選ぶ今年の本屋大賞2位の人気作に、新潟市立の図書館全体で523件の貸し出し予約が入っている(9日現在)。

 新潟市立図書館は19の図書館とその他の施設で蔵書を共有しており、「ライオンのおやつ」は全施設で20冊。1回あたり最大2週間の貸出期間や、予約者が受け取るまでの取り置き期間などを考えると、予約者全員が読むには、今のままでは計算上、約1年かかる。予約数は「ライオンのおやつ」だけ多いのではなく、それを上回る本もある。

 市立ほんぽーと中央図書館(中央区)を週1回利用している東区の女性(67)も、2018年の本屋大賞受賞作「かがみの孤城」(辻村深月さん著)を昨年2月に予約し、借りられたのは今年1月。そこまで待ってでも、「買っちゃうと荷物になっちゃう」から貸し出しを希望するのだという。

人気本以外の資料収集・保存も大事な役割

 予約の多い本は蔵書をもっと増やせないものか。市立図書館運営の中心となっている中央図書館の吉田英津子館長は「限られた費用で幅広い分野の資料を収集する必要がある」と特定図書に購入費を集中できない理由を説明する。予約はベストセラーや受賞作、映画の原作などに集まるが、郷土資料や行政資料などの収集・保存も図書館の役割。市立図書館は、同じ本の所蔵数は「児童図書や郷土資料、行政資料以外は1館1冊」が原則という。

 市立図書館の利用は活発なようだ。中央図書館によると、18年度の登録者は14万2679人で、1人あたりの貸出数(約30・09点)は政令指定市の平均(約19・21点)を上回る。市民1人あたり換算の貸出数(約5・43点)も政令指定市平均(約4・49点)より多い。

 それでも、新潟市立図書館の資料購入費は減っている。18年度は約1億1350万円(予算)で、08年度より約8340万円少ない。「市の財政も厳しいため、資料購入費の確保が厳しくなっている。同じタイトルを複数購入するのではなく、タイトル数を増やすように工夫している」(吉田館長)そうだ。

 蔵書は週1回の「選書会議」で選ぶという。3月下旬の同会議。司書ら約15人の職員が、各館やホームページ上で利用者から希望のあった本を購入するかどうかを話し合っていた。

「選書」1冊あたり5分で真剣に議論

 1冊あたり約5分。希望のあっ…

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