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 再開発ビルが立ち並ぶ大通りの裏に入ると、料理屋、しもた屋、小さな2階建てが肩を並べる小路がある。東京都中央区日本橋室町。紺地ののれんを掛けた真っ白な建物が、全国でも珍しいようじの専門店「日本橋さるや」だ。30平方メートルほどの店内の一部が「楊枝(ようじ)資料館」になっており、「食後のおとも」の歴史を垣間見ることができる。

 創業は1704(宝永元)年、5代将軍綱吉の時代という。奈良時代に仏具とともに中国から伝わったとされるようじは、江戸時代に庶民に広まった。

 店内に飾られた歌川国芳の浮世絵には、江戸末期の「さるや」の店先のにぎわいが描かれている。「くしなどの小間物も売っていたことがわかります」。9代目店主、山本亮太さん(38)が説明してくれる。「これが当時のようじです」と指さしたのは、先が筆状に裂かれた房ようじ。現代の歯ブラシの用途やお歯黒用に使われていた。ようじの店は江戸だけで数百軒あり、多くが「さるや」の屋号だったという。「猿は歯が白いから、とも、猿を連れて売り歩いた人がいたから、とも言われています」

 後年、店が復刻した房ようじが…

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