拡大する写真・図版高級ブランド店などが並ぶ「五番街」。日曜にもかかわらず、車も人もまばらだった=2020年4月12日午後1時38分、米ニューヨーク、藤原学思撮影

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 「なにもかもが変わりましたね」。僕が窓の外を見ながら言うと、「うん、それもすごい早さで」とタクシー運転手のフィル(33)。1カ月前までのにぎわいは、見る影もない。米ニューヨーク(NY)市で新型コロナウイルスの感染者が10万人を超えた12日、まちを歩いた。

ボタン押すのも服の上から

拡大する写真・図版セントラルパークで顔を覆いながら歩く市民。ここ1カ月で同じような市民が一気に増えた=2020年4月12日午後1時11分、米ニューヨーク、藤原学思撮影

 市内の地下鉄やバスが乗り放題になる「30日券」が手元にある。3月11日、127ドル(約1万4千円)で買った。地下鉄の料金は定額で1回2.75ドルだから、47回乗れば元が取れる。通勤にも使うため、「それぐらいは乗るだろう」と思っていた。

 NY市で新型コロナの感染者が初めて確認されたのは3月1日。「30日券」を買った11日も、まだ100人以下だった。朝、バスに乗って国連本部に行き、昼は近くの飲食店で食べる。夕方にまたバスでタイムズスクエアの近くにあるニューヨーク支局に行き、夜は地下鉄で自宅に帰る。そんな日常は不変だと信じていた。

 だが結果的に、「30日券」は10回も使わないまま、期限が切れた。地下鉄やバスの利用は「必要不可欠」な業務の従事者に限られ、乗車率は1割まで落ち込んだ。国連の会合も取材もオンラインに切り替わり、飲食店は持ち帰りと配達のみになった。

憩いの場が野戦病院に

 自宅アパートのエレベーターには、2人以上で乗り込むことはなくなった。金属製のボタンに手が直接触れないよう、服の上から押す。住民同士のあいさつは「ステイセーフ(ご無事で)」に変わり、すれ違う人と距離を置くようになった。

 NY市の人口は860万人。一…

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