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 ソフトバンクグループ(SBG)は13日、2020年3月期決算(国際会計基準)の営業損益が1兆3500億円の赤字になる見込みだと発表した。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に景気が悪化。投資先企業の価値が大幅に目減りした。営業赤字は15年ぶりで、過去最大の赤字幅だ。携帯電話会社から投資会社に形を変え、投資先の成長と共に利益を膨らませる経営手法はすでに陰りが出ていたが、コロナ問題で一段と厳しい状況になった。

 SBGは19年3月期は2兆3539億円の営業黒字だった。投資事業を担うソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)では1・8兆円もの投資損失を計上する見込みだ。

 純損益も7500億円の赤字。こちらも15年ぶりで、過去最大の赤字幅だ。19年3月期は、1兆4111億円の黒字だった。

 売上高は、米携帯電話大手のスプリントが同業のTモバイルUSと合併し、SBGはスプリントの経営権を手放して連結対象から外れたため大きく減少。19年3月期から36%減の6兆1500億円となる。

 携帯電話事業が中核のSBGだが、近年は投資会社への転換を進めてきた。17年に設立した10兆円規模の投資ファンドSVFを通じて、世界各地の90社近くの有望企業に投資してきた。19年3月期は投資先の価値が大幅に上昇し、過去最高益を記録してトヨタ自動車に迫る規模だった。

 しかし昨夏以降は投資先の経営が急速に悪化。シェアオフィス「ウィーワーク」を運営する米ウィーカンパニーは創業者の利益相反や乱脈経営が問題視され、同社の上場延期で巨額損失を計上した。他の会社でも経営不振が目立ち始め、有望企業に投資して上場益を稼ぐビジネスモデルに陰りが出ていた。

 今年に入りコロナ問題でさらに投資先の経営が悪化。3月末には衛星通信を手がける英国の投資先企業が資金調達できずに経営破綻(はたん)していた。(井上亮)