「当初からヒト・ヒト感染に重点置いた」WHOが反論
ジュネーブ=吉武祐
世界保健機関(WHO)は13日の記者会見で、新型コロナウイルスのヒトからヒトへの感染の懸念に初動で対応しなかったとする米国や台湾からの批判に反論した。WHOの感染症専門家マリア・ファンケルクホーフェ氏は、1月当初から「加盟国向けの指針で感染の広がり方についてまとめ、飛沫(ひまつ)感染と(ヒト同士の)接触による感染の可能性に重点を置いた」と述べた。
同氏はコロナウイルスの専門家でもある。中国から昨年12月31日に感染の報告を受けてすぐに「呼吸器系の病原体なのでヒト・ヒト感染もあるかもしれないと思った」と振り返った。1月10、11日に指針をまとめ、重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)の経験から、医療従事者向けに院内感染の注意も盛り込んだとしている。
また、ファンケルクホーフェ氏は1月14日に国連欧州本部で記者会見をして、感染拡大に注意喚起しており「かなり注目されたと思う」とも述べた。この段階では、中国からヒト・ヒト感染の明確な証拠は報告されていなかった。(ジュネーブ=吉武祐)
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