重なる陣痛と揺れ 余震の中で出産の夫妻、経験を絵本に

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城真弓
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 熊本地震の余震のさなかに出産を経験した絵本作家夫妻がいる。夫妻は出産をきっかけに、自然との共生をテーマにした絵本「あかんぼっかん」(偕成社)を制作。震災から4年が経つ今も自然や命について考え、向き合う日々が続く。

 2016年4月21日。絵本作家ユニット「ザ・キャビンカンパニー」の阿部健太朗さん(31)と吉岡紗希さん(31)は大分市内の産婦人科にいた。臨月だった妻の吉岡さんが破水し、前夜から入院していた。最大震度7を記録した熊本地震後のことだ。

 16日の本震時、大分市の自宅にいた2人にけがはなかったが、震度5弱と大きく揺れた。大分県由布市挾間町の2人のアトリエも窓ガラスが割れ、被災した。

 本震後も余震が続き、そのたびに緊急地震速報を知らせる携帯が鳴り響く。「出産のときに大きな揺れがきたらどうなるんだろう」。吉岡さんは不安で眠れない数日を過ごした。

 予定より10日ほど早く入院…

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