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 新型コロナウイルスの感染拡大をうけてホワイトハウスで連日のように会見をしているトランプ米大統領は13日、会見中に特注のビデオを上映した。自らの初動の遅れを批判するメディアに反論し、好意的な州知事らのコメントを集めた内容で、米国では「まるで大統領選に向けた広告だ」との声が出ている。

 この日の会見の冒頭で、トランプ氏は1月末に中国からの入国制限に踏み切ったことが、米国内の新型コロナの感染拡大防止につながったと強調。続いて会見室の照明を暗くするよう求め、約3分間のビデオを上映した。ビデオは、新型コロナによる差し迫った脅威を否定する医師の声を伝えた1月のテレビ番組や、政権に感謝を述べる知事らの映像などをつなぎ合わせた内容。トランプ氏は上映の理由を問われ、「フェイクニュースが出ているので、訂正してもらいたい」と語った。

 トランプ氏がわざわざこうしたビデオを作製して上映しているのは、政権の対応を批判的に検証する記事が米メディアで相次いでいるためだ。ニューヨーク・タイムズは11日、政権内のメールを引用しながら、何度も警鐘が出ていたにもかかわらず、トランプ氏が行動を取らなかったという記事を発信。ワシントン・ポストも4日、トランプ政権が約70日間にわたって対応を怠ったと報じた。

 11月の大統領選に向けた動きも進みつつある。民主党の候補指名争いから撤退したバーニー・サンダース上院議員(78)はこの日、指名を確実にしたジョー・バイデン前副大統領(77)を支持し、党内の結束を進めると表明した。トランプ氏も会見でバイデン氏にたびたび言及し、気にしている様子だった。(ワシントン=渡辺丘、香取啓介)