カモやキジに近い最古の「現生鳥類」 頭骨の化石を発見

米山正寛
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 ベルギーで見つかった約6680万~6670万年前の鳥の化石が、今の鳥を含む現生鳥類で最古の頭骨だったと英ケンブリッジ大などの研究チームが発表した。鳥類は、恐竜から進化して始祖鳥などの系統と分かれた系統が今の鳥たちになったとされる。その誕生の様子に迫ることができる化石だ。

 化石は採石場の石灰石から見つかった。当初は脚の一部しか見えなかったが、関心を持ったダニエル・フィールド博士らがCTスキャンしたところ、現在のカモやキジにつながる特徴を持った鳥の頭骨が入っていた。

 頭骨は長さ5センチほど。体全体の体重は400グラムほどと推定され、今の鳥ならハトくらいの重さという。新属新種と判断され、流星の女神に由来するアステリオルニス・マーストリヒテンシスと名付けられた。

 今の鳥の中で、カモやキジの仲間は古い起源を持つ系統で、化石で見つかった鳥はその共通祖先に近い。約6600万年前の白亜紀末、地球に隕石(いんせき)が衝突して鳥類を除く恐竜などの生物が大量絶滅した。この系統は大量絶滅の前に出現していたことが、今回の発見ではっきりした。

 論文は科学誌ネイチャー(https://www.nature.com/articles/s41586-020-2096-0別ウインドウで開きます)に掲載された。(米山正寛)

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