[PR]

 大阪府堺市が、ふるさと納税の返礼品に名物の焼きアナゴを加えるなど、ラインアップを大幅に入れ替えた。ふるさと納税で年間20億円もの税収が市外に流出している実態が背景にある。返礼品の魅力向上で新たな寄付を呼び込めるか。

 堺市が6日から返礼品に加えたのは、堺区の専門店「松井泉」の焼きアナゴ。堺はかつてアナゴ漁が盛んで、アナゴ料理店が軒を並べた時代もあった。1968年に創業した同社の焼きアナゴは、脂ののった身と秘伝のタレの組み合わせで人気を呼んでいる。

 昨年大阪で開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)のレセプションでも提供されたブランド牛「大阪ウメビーフ」(堺区の農事組合法人日野農産)など、食品類を中心に、独自色の強い商品を大幅に増やした。

 堺市はこれまで、特産の刃物類や菓子などを返礼品にしてきた。ただ、2018年度の寄付額は5571万円で、全国20政令指定都市では15番目。19年度は3900万円程度とさらに減少する見込みだ。

 一方、市民が市外にふるさと納税をしたことで流出した税額は毎年20億円程度にのぼる。一部は地方交付税として国から補塡(ほてん)されるものの、それでも数億円の欠損が避けられない。

 市は対策として返礼品の見直しに着手した。「堺らしさを感じる」ものを中心にするため、公募に応じた事業者の製品を審査し、新たに100点を選定した。市資金課の担当者は「流出は止められないので、新たな寄付を増やすしかない。市の特産品PRにもつなげたい」と話す。(白木琢歩)