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 全身が硬いウロコに覆われた希少な哺乳類「センザンコウ」から、世界中に広がる新型コロナウイルスによく似たウイルスが見つかった。センザンコウとは、どんな動物なのか。なぜ、野生動物に感染しているウイルスが注目されるのだろうか。

新型コロナウイルスとよく似たウイルスが

 香港大などの研究チームが3月26日にセンザンコウについての論文を英科学誌ネイチャーに発表した。研究チームは、2017~18年に中国南部の税関で押収され、冷凍保存されていたマレーセンザンコウ18匹の肺や血液などの組織を調べた。

拡大する写真・図版オークションに出品されていたセンザンコウの剝製(はくせい)=2018年

 すると、うち5匹からコロナウイルスが見つかった。これとは別の、その後に押収されたセンザンコウの組織からも、同様にコロナウイルスが見つかった。これらのセンザンコウから見つかったコロナウイルスの遺伝情報(ゲノム配列)は、現在流行中の新型コロナウイルスと85.5~92.4%の割合で同じだった。

 ただ、世界保健機関(WHO)によれば、新型コロナウイルスに元々感染していた動物はコウモリだと考えられている。まだはっきりしないものの、コウモリから見つかったコロナウイルスのゲノム配列は新型コロナウイルスと似ており、同じくコロナウイルスが原因の重症急性呼吸器症候群(SARS)もコウモリ起源だったとされる。

 WHOは、新型コロナウイルスはコウモリから他の動物を介してヒトに感染した可能性があるとし、「このウイルスの源がわかって制御できるまではヒトへの再感染のリスクがあり、新しい流行が起きうる」と指摘している。

 研究チームは、センザンコウがヒトへの新型コロナウイルス感染にかかわったかについて「十分には解明されていない」としている。センザンコウから見つかったウイルスには、新型コロナウイルスにある、ウイルスの表面の感染力にかかわっているとみられるたんぱく質の特徴がなかったからだ。ただし、研究チームはセンザンコウについて「新たなコロナウイルス出現の宿主になりえる。動物由来の感染症を防ぐため、野生動物の市場での販売は禁止するべきだ」と提言している。

 香港大などの論文は(https://doi.org/10.1038/s41586-020-2169-0別ウインドウで開きます)で読める。

ポケモンキャラのモデルになった?

 人気ゲーム「ポケットモンスター(ポケモン)」に「サンドパン」というキャラクターが登場する。大きな爪を持つ見た目と、名前にある「パン」から、センザンコウがモデルのひとつになったともいわれる。英語でセンザンコウは「パンゴリン」だ。

 世界自然保護基金(WWF)によると、センザンコウは体長30~85センチ程度の、硬いウロコをもつ哺乳類。危険と感じるとボールのように体を丸める。国際自然保護連合(IUCN)によると、アリやシロアリを食べ、中国南部からインドなどのアジアに4種、アフリカに4種がすんでいる。絶滅が危ぶまれており、現在ではワシントン条約で全ての種の商業目的の国際取引が禁止されている。

 一方で、センザンコウは「世界…

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