窓口に透明シート、ショカツの知恵 警視庁本部も動かす
新型コロナウイルスの感染拡大が進む東京都内の警察署で、相談や各種申請の窓口に透明のビニールシートを設置する取り組みが広がっている。来訪者も署員もウイルスから守る狙いで、署発の「草の根」の試みだ。
最初に始めたとされるのは、都内屈指の規模の渋谷署。道路使用許可や車庫証明の申請で連日大勢の人が窓口を訪れており、交通課の和田義之巡査部長(46)の提案を受け、6日から採り入れた。緊急事態宣言が出る前だったこともあり、「そこまでやる必要があるのか」という声も上がったという。
当初はアクリル板を設置する案もあったが、「留置場っぽい」と立ち消えに。書類のやり取りをしやすいよう、透明のビニールシートを上から垂らし、カウンター上に一定の空間をつくる形にした。費用が安く済み、天井やカウンターの高さが違う部署でも対応できる点も決め手となった。
第1号に選んだのは、ビニール製のテーブルクロス。量販店で購入し、2階の窓口に自分たちで取り付けた。「警察も考えてくれているんですね」「安心」などと来訪者の評判も上々といい、1階の総合窓口にも設置した。
隣の原宿署なども採り入れ、取り組みを聞きつけた警視庁本部は10日、導入を検討するよう全102署などに求めた。担当者は「少し見苦しいかもしれませんが、安全を考えての措置。ご理解いただければ」と話す。
同様の取り組みはコンビニやスーパー、タクシーなど民間の事業者でも広がっている。(角詠之、滝口信之)
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