[PR]

 富士フイルムは15日、新型コロナウイルス感染症に対する治療薬として期待される「アビガン」を増産すると発表した。7月には現在の2・5倍の月10万人分、9月には月30万人分を生産。新型コロナ対策として200万人分を備蓄する政府方針への対応を急ぐ。

 富士フイルムは3月上旬にアビガンの生産を再開し、現在は月4万人分のペースで生産している。増産に向け、原料をつくるグループ会社が生産設備を増強するほか、生産工程を担う協力会社のめどがついたという。

 アビガンは子会社の富士フイルム富山化学が開発し、ほかの薬が効かない場合にだけ使える新型インフルへの薬として2014年に国内で承認を受け、政府が備蓄する。妊婦に対しては、胎児に副作用が出るおそれがあるため使えない。日本感染症学会の「治療の考え方」では、新型コロナ患者へは新型インフル患者の3倍投与するとされている。

 新型コロナ感染症にはまだ治療薬がなく、アビガンのほかエボラ出血熱、HIV、ぜんそくなどさまざまな病気の薬が効くかどうか、世界で試験が続いている。アビガンは、新型コロナに対する治療薬としての臨床試験(治験)が日米で始まっており、日本の治験は6月末に終わる見込みだ。(真海喬生)