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 ウイルス病の脅威は、新型コロナウイルスのように人の健康を害するばかりではない。植物にもウイルス病があり、農業生産などへ打撃を与えてきた。国内で問題になっている植物ウイルスの一つが、ウメやモモなど多くの果樹に病気を起こすプラムポックスウイルス(PPV)だ。

拡大する写真・図版プラムポックスウイルス(PPV)の電子顕微鏡写真。ひも状の形をしている=東京大学植物病院提供

 PPVによる病害は1915年ごろにブルガリアで初めて観察された。病斑が葉や果実などに現れ、樹勢は衰えて、果実は商品価値を失う。80年代までは欧州のプラム(スモモ)類を中心に発生したが、その後、アジアや南北アメリカなどへも広がった。アブラムシによって媒介され、感染した苗木などが遠くへ運ばれると新たな感染源になる。

拡大する写真・図版プラムポックスウイルス(PPV)に感染したウメの葉。薄緑色の病斑などが認められる=東京大学植物病院提供

 国内では2009年に東京都青梅市のウメで初めて見つかり、モモなどの感染も確認された。被害は12都府県に及び、農林水産省の集計(17年まで)によると、植物防疫法に基づく対策で累計約42万本が伐採処分された。ウメやハナモモの苗木産地だった兵庫県伊丹市では12年に感染が発覚し、同市内だけで約35万本を処分した。

拡大する写真・図版プラムポックスウイルス(PPV)に感染したウメの花。通常は真っ白な花が咲くが、花びらに赤い斑が入っている=東京大学植物病院提供

 東京大学大学院農学生命科学研…

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