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 新型コロナウイルスの感染を防ぐための行動制限を何もしなかった場合、国内で重篤になる感染者が計85万人に上るとする試算を、厚生労働省クラスター対策班に参加する西浦博・北海道大教授(理論疫学)が15日、明らかにした。

 中国では重篤な患者の致死率は49%との報告があり、今回の試算をあてはめると日本での死者は42万人になる。致死率は患者の年代や、集中治療の態勢などに左右され、高齢者の多い日本はさらに高くなる可能性もある。ただ、各地で緊急事態宣言による外出自粛の要請などが始まっており、西浦さんは「数十万人の死亡は想定していない」としている。

 クラスター対策班は厚労省職員や、北大や東北大などの研究者が参加する。西浦さんは感染状況をもとに感染の広がり方などの予測に携わる。ツイッターでは「8割おじさん」とも名乗っている。今回の試算は、人同士の接触機会を8割減らして感染を抑え込む必要性を強調するため、個人的な立場で公表したとしている。

 試算では、1人の感染者が2・5人に感染を広げ、新たな感染が起きるまでに平均4・8日かかると仮定。こうした場合、ある段階から感染者が急速に増え、人工呼吸器や集中治療室(ICU)で治療が必要になる重篤患者は、1日あたり高齢者で10万人あたり230人、15~64歳で70人がピークになる。

 西浦さんによると、国内で新型コロナに使える待機中の人工呼吸器は約1300台で、10万人あたり10台ほどだ。現状で試算した事態を迎えると、多くの人が適切な治療を受けられないとみられる。

 1人の感染者が何人に感染させるかという2・5人の数字は、不要不急の外出を控えることなどで引き下げられる。だが西浦さんは、政府の緊急事態宣言が出ている7都府県などで、接触機会が8割減に達しないとの危機感があるという。8割減なら15日で新規感染者が5分の1に減るが、65%減だと同じレベルまでに約70日かかる。その場合、外出自粛などが守られなくなり、感染が一気に広がる恐れがある。対策班は削減幅ごとの死者数も試算中だという。

 菅義偉官房長官は15日の会見で「推定死者数については、様々な要素が関係することもあり、政府としては公表はしていません」と述べた。(三上元)

8割だと15日、65%だと70日以上

 なぜ、人同士の接触機会を8割減らす必要がある、としているのか。

 「できるだけ劇的に接触を減少…

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