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 コロナショックは経済危機の範疇(はんちゅう)を超え、社会システムを揺るがす危機になった。本来、経済だけでなく、政治・統治・行政全般を意味した「経世済民」の真価がいま、問われている。

井上智洋・駒沢大准教授

 今回のコロナショックは、ウイルスの感染拡大を避けるために経済活動がとまり、売り上げが蒸発してしまったのが特徴です。金融市場の危機から実体経済へと波及した2008年のリーマン・ショックとは大きく異なります。

 金融市場に大量のお金を流し込むことで景気回復を図る金融政策だけでは、対応できません。大企業重視の発想ではなく、家計や中小企業を手厚く支援することに重点を置く必要があります。

 その点で、安倍政権が打ち出した緊急経済対策は力不足です。限られた減収世帯に30万円を支給するより、所得の多寡に関係なく、国民1人に一律20万円ぐらいを渡した方が大きな効果が見込めます。

 低所得層を支えるのはもちろんですが、今回は中間所得層の手取りも減ります。この層の財布のひもが固いと、感染がある程度収まって景気が上向いても、経済の本格回復にはつながりません。お金持ちにも出すことに批判はあるでしょうが、支給金を課税所得に含めれば、ある程度は税金として国に戻ってきます。

 バブル崩壊後、日本経済が低成長から脱却できなくなった根本要因は、お金を使う側、需要側にあります。出費を減らしてお金をため込むデフレマインドが、労働者だけでなく、企業にも浸透しました。その結果、供給する側の企業も投資を控えて内部留保を増やし、生産性向上を図れなくなっているのです。

拡大する写真・図版井上智洋さん

記事の後半では、「もっと冷静になるべき」と呼びかける慶応大の井手英策教授の論考をご紹介しています。

 危機が長引くほど、需要側の冷…

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