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コロナ法律相談 回答:谷真介弁護士

 新型コロナウイルスが、社会や経済をも急速にむしばみ始めています。新型コロナによって身の回りで起きる様々な問題について、各分野の専門家に記者が解決策を聞きました。(聞き手・平賀拓哉)

 Q ある音楽教室で音楽講師として働いてきましたが、新型コロナウイルスの影響で生徒が減り、教室が閉まりました。休業手当を求めたところ、教室から「あなたは『個人事業主』だから休業手当はもらえない」と言われました。

 A 今回のケースでは、教室側が講師と「業務委託契約」を交わし、「個人事業主」という形式をとっていると思われます。

 労働基準法では、使用者の都合で労働者を休ませた場合は、休業手当(賃金の60%以上)を支払うよう定めています。しかし同法が適用されるには、使用者(この場合は音楽教室の経営者)のもとで働く「労働者」でないといけません。「労働者」でなければ最低賃金の保障はなく、社会保険にも加入できません。仕事でけがをしても労災にはなりませんし、仕事を辞めても失業保険も受給できません。

 しかし、「労働者」か「個人事業主」かは、契約の形式ではなく、働く実態で判断されます。そのため講師が教室と業務委託契約を交わしていたとしても、教室側の指示でシフトや授業内容が決められるなどの場合は「労働者」と認められる可能性があります。

 ですからこうした働き方をしていたら、自身は「労働者」だとして休業手当を求めましょう。同僚と組合を結成したり、一人でも外部の個人加入のユニオンに加入したりして団体交渉を申し入れ、休業手当だけでなく社会保険への加入手続きを求めるなど、更なる待遇改善を要求すべきです。

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 たに・しんすけ 2007年弁護士登録。大阪弁護士会の労働問題特別委員会前副委員長で、日本労働弁護団常任幹事。労働者側の立場で労働問題に取り組む。

 ※Q&Aの内容は、身近な法律問題について解決の参考となるよう、あくまで一つのケースを示したものです。個別の事情によっては、回答内容があてはまらないことがあります。

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 新型コロナウイルスに関する問題に、記者が専門家に取材してお答えします。ご質問はQcorona@asahi.comメールするにメールでお寄せください。

労働に関する相談窓口やQ&A

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・新型コロナウイルス感染症に関する労働問題Q&A(日本労働弁護団)http://roudou-bengodan.org/topics/9247/別ウインドウで開きます