1人10万円給付、首相が補正予算案の組み替え検討指示
安倍晋三首相は16日、新型コロナウイルス感染症に対する緊急経済対策として国民1人あたり10万円を給付するため、2020年度補正予算案を組み替える方向で検討するよう麻生太郎財務相に指示した。公明党などの強い要請を受けたもので、今月上旬に発表した所得が減収する世帯向けに30万円を給付する案の修正を余儀なくされた。
公明党の山口那津男代表は同日午前、首相に改めて10万円給付の早期実現を要請。首相は「引き取って検討する」などと応じたという。公明党の予算案組み替え要求を受け、補正予算案の審議日程などを協議する予定だったこの日午前の衆院予算委員会の理事懇談会は中止となった。
首相は同日午前、首相官邸で麻生太郎副総理兼財務相と会談し、予算案の組み替えを指示。その後、自民党の二階俊博幹事長、岸田文雄政調会長らとも会談し、対応を協議した。政府・与党は来週明けに補正予算案を衆院で審議入りさせ、22日に成立させるスケジュールを描いていたが、組み替えにより日程は後ろ倒しになりそうだ。
政府が経済対策の目玉に据えていた「1世帯30万円」の現金給付については、「実際にもらえる人は少ない」などとして与党内から批判が出ていた。二階氏は14日、10万円の給付案を「速やかに実行に移すよう政府に強力に申し入れる」と表明。山口代表は15日、首相に所得制限を設けない「1人10万円」の実現と予算案の組み替えを直談判していた。
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