[PR]

 植物の「寝起き」をよくしたい――。東京大農学生命科学研究科の矢守航准教授は言う。植物の寝起きって?

 植物は夜が明けると光合成を始め、徐々に活発になっていく。この時、光合成の能力をすばやくフルに発揮する植物は「寝起きがよい」、時間がかかる植物は「寝起きが悪い」といえる。寝起きがよければ結果的に成長が早まり、農作物なら収穫が増える。

 では、何が寝起きのよさを左右しているのか。矢守さんは葉にある気孔に注目した。

 植物は気孔から二酸化炭素を吸収して光合成する。真っ暗闇に置いたシロイヌナズナに太陽の光を当てると、気孔を十分に開くまで20~30分。でも、初めから気孔が開いていたり、開きが素早かったりする個体は、光合成がすぐ活発になることが東大理学系研究科の大学院生の木村遼希さんらとの実験で分かった。イネも同じ傾向だった。

 ただ、気孔は水分の出口でもあり、開いたままだと乾燥し過ぎてしまう。どうすれば植物に負担なく寝起きをよくできるか。矢守さんは「光に素早く反応して気孔を開けるかが鍵。寝起きのいい植物を開発して収穫を増やしたい」と話した。

 論文は専門誌「Journal of Experimental Botany」(https://doi.org/10.1093/jxb/eraa090別ウインドウで開きます)に掲載された。(米山正寛)