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 新型コロナウイルスの情報を子どもにも分かりやすく届けようと、医療関係者が教材などを作って発信しています。親子で正確な知識を得て、どう向き合うか考えてほしい、との思いが込められています。

小学生が「監修」

 岡山大の狩野光伸教授(医療科学)は今月初め、科学系研究者らが参加する一般社団法人「知識流動システム研究所」の仲間らと子ども向け教材「新型コロナウイルスについていっしょに考えよう!」を作り、研究所のホームページで公開している(https://www.smips.jp/KMS/2020/04/02/stop_corona_20200402/別ウインドウで開きます)。ダウンロードして印刷すれば、チラシや小冊子が簡単に作れるようになっている。

 子どもの問いに対し、ちゃんと説明することが重要、という視点から企画した。①コロナウイルスってなに? ②どのような症状があるの? ③どうやって感染するの? ④感染をふせごう! ⑤ウイルスとたたかっている友だちや家族を応援しよう!――という5項目。④の予防法は、手洗い方法やマスクの使用法、「密閉・密接・密集」を避けることなどを詳しく説明している。感染した人への差別も戒め、「応援しよう」と呼びかけている。

 イラストをちりばめたカラーで「感染」「味覚の変化」などの漢字にルビもふった。より詳しく解説した「もっと知りたい人のためのQ&A」や「大人版」も用意し、保護者からも正確な情報を伝えられるようにしている。各地の教育委員会などで活用が広がり、紙芝居版も公開した。

 狩野さんは「子どもも当事者だから、きちんと理解し、納得することが大切。教材を活用し、自分で考えて対応してほしい」と話す。

 愛知県の藤田医科大学医学部の微生物学講座・感染症科も2月に「コロナウイルスってなんだろう?」という教材を作り、同科のホームページで公開している(http://www.fujita-hu.ac.jp/~microb/Final_version_ruby.pdf別ウインドウで開きます)。英語版もある。

 「子供(こども)が感染(かんせん)してもちょっとした『かぜ』くらいですむことがほとんど」だが「おじいちゃんやおばあちゃん、もともと病気(びょうき)のある人(ひと)がかかると重(おも)い病気(びょうき)になり、命(いのち)をおとすこともあります」と説明。「コロナウイルスやっつけるぞ作戦」として手洗いやせきエチケットも紹介した。

 桜井亜樹助教は、自身の小学生の子どもに「監修」をお願いしたという。「退屈な生活にイライラしている子もいれば、かかったらどうなってしまうのか心配している子もいるでしょう。まずは子どもが新型コロナウイルスについてどう思っているか確認した上で、納得できない、もしくは不安に感じている部分を埋められる情報を伝えるのはとても大切なことだと思う」

「不安で怖いのは当たり前」

 子どもに向き合う大人に呼びかけようという動きも。

 子どもの心理に詳しい大湫(おおくて)病院児童精神医療センター(岐阜県瑞浪市)の関正樹医師は、保護者に向けて「気持ちとの付き合い方」を助言する小冊子を作った。

 診察時、「外に出るのが怖くて診療を受けに行けない」「(発熱や風邪症状が出て)感染したのではと不安で眠れない」と訴える子どもがいた。親も疲れたり神経質になったりしている場合があるため、まず親向けに情報を伝えることにした。

 小冊子では「こころが疲れると イライラしやすくなったり コロナウイルスのことばかり考えたり」ということが起こると説明。「ひとりで抱えない」「情報番組を見過ぎない」「できるだけ手抜きを」「不安を信頼できる人と分かちあって」などと助言している。子どもが「怖い」と訴えたら、真剣に耳を傾け、予防のために「できること」を伝えてあげる、といった対処法も掲載した。

 子ども向けに「不安は考えれば考えるほど大きくなります」として、運動や深呼吸、ゲームなどに集中することを勧めている。

 小冊子は院内で配るほか、データを病院のホームページ(http://www.ob3.aitai.ne.jp/~okutehp/covid19.html別ウインドウで開きます)でも公開している。関さんは「不安で怖いのは当たり前という点と、どう対応したらよいかを親と子に伝えたかった。長期戦とも言われる中、親子で話すきっかけとしても使ってほしい」と話す。(上野創、山本奈朱香