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 南米ブラジルのボルソナーロ大統領は16日、新型コロナウイルス対策を指揮してきたマンデッタ保健相を解任した。ブラジルでは、サンパウロ州知事らが外出自粛を求めているのに対し、ボルソナーロ氏は「経済が壊れる」として反発しており、医師出身でやはり外出自粛に賛成するマンデッタ氏とも対立していた。

 ボルソナーロ氏は解任後に演説し、後任の保健相には医師で、前保健省顧問のネルソン・タイシ氏を任命したと発表した。ボルソナーロ氏は「コロナウイルスには、健康問題だけでなく、失業問題もある。バランスを取る必要がある」として、タイシ氏もこの方針を受け入れたと述べた。

 マンデッタ氏は、「今のままで感染拡大が進めば、4月中にもブラジルで医療崩壊が起きる」とし、州知事らが進める外出自粛や隔離に賛同してきた。一方、ボルソナーロ氏は「新型コロナウイルスはちょっとした風邪だ」と主張し、外出自粛や営業停止は「経済を破壊する」と批判している。

 今月3日発表の世論調査では、76%がマンデッタ氏を支持し、支持しないは5%だった。一方、ボルソナーロ氏の支持率は33%で、不支持率は39%だった。ボルソナーロ氏の演説がテレビで中継されている間、サンパウロなどでは、自宅にとどまる市民らが鍋をたたいて、マンデッタ氏の解任に抗議した。

 保健省の発表では、ブラジルでは16日までに3万425人の感染を確認。死者は1924人で、いずれも中南米で最多だ。北東部セアラ州では、集中治療室が満床となったと報じられており、医療崩壊の広がりが心配されている。(サンパウロ=岡田玄)