中国GDP6.8%減、四半期初のマイナス コロナ影響
中国の国家統計局が17日に発表した2020年1~3月期の国内総生産(GDP、速報値)は、物価上昇を除く実質成長率が前年同期比マイナス6・8%だった。新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響した。四半期ごとの成長率がマイナスになるのは、統計を出し始めた1992年以降初めて。
中国政府は1月23日から、湖北省武漢市を都市封鎖し、国中で移動制限を課す非常に強力な感染防止策をとった。その結果、1月下旬以降の経済活動を犠牲にすることになった。成長率の市場予想はマイナス5%前後で、これを上回る落ち込みとなった。
同時に発表された1~3月期の消費と投資の動きを示す統計も、深刻な落ち込みを見せた。人の移動や店舗の営業が規制された影響で、小売総額は19%減だった。将来の見通しがまったく立たないなかで投資も止まり、固定資産投資は16・1%減となった。
感染対策のため工場の操業が規制されたうえ、春節で郷里に帰った労働者が移動制限で戻れなくなった結果、生産も低調になった。鉱工業生産は前年同期比8・4%減だった。
国家統計局によると、3月の失業率は5・9%で2月より0・3ポイント低下したが高水準だ。中国メディアは1~3月期に46万社以上もの企業が倒産したと報じている。中国民用航空局によると、移動制限で航空便の運航が減った航空産業の損失額は累計で398億元(約6千億円)に達した。中国自動車工業協会によると、1~3月期の新車販売は前年同期より42・4%減った。
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