京都・祇園祭の山鉾巡行が中止へ 感染拡大で58年ぶり
日本三大祭りの一つで、毎年7月に開催される京都・祇園祭の山鉾(やまほこ)巡行が新型コロナウイルス感染拡大の影響で、中止される見通しとなった。祇園祭を例祭としている八坂神社(京都市東山区)や山鉾巡行を実施する祇園祭山鉾連合会(同市中京区)が関係機関と調整を進めており、20日にも記者会見して発表する。
山鉾巡行が中止されれば、阪急電鉄の地下工事による1962年以来、58年ぶりとなる。
山鉾巡行は前祭(さきまつり)(17日)に23基、後祭(あとまつり)(24日)に11基の山鉾が出る。昨年の前祭の巡行には約12万人の観光客らが詰めかけた。観光客だけでなく、山鉾に乗り込む人らも密集するため、新型コロナウイルス感染が広がる中、安全を確保するのは難しく、中止する方向で検討することになった。
祇園祭は平安時代の869年、当時の全国の国数と同じ66本の矛を立て、祇園社(今の八坂神社)から神輿(みこし)を出して疫病退散を祈願した祇園御霊会(ごりょうえ)が始まりとされる。1467年に始まった応仁の乱で33年間、中止されたほか、太平洋戦争中などにも山鉾巡行や神輿渡御が取りやめられた。1582年の本能寺の変、明治時代の1879年、86年、95年にはコレラの流行のため、それぞれ延期された。(大村治郎)
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