新型コロナウイルスの感染拡大を受けた緊急事態宣言は全国に広がった。都道府県をまたぐ移動を避けるよう、政府や地方自治体は強く呼びかける。こうしたなか、都市部に住み、地方にいる高齢の親を遠距離介護する子どもたちの帰省が難しくなり、事態の長期化に心を痛めている。
「不要不急の移動ではありませんが、今回は帰省を見送りました」。ブログ「40歳からの遠距離介護」などを執筆する作家・ブロガーの工藤広伸さん(47)はそう語る。
拡大する岩手に帰省し、母の通院に付き添う工藤広伸さん(左)。母は足が不自由なため、工藤さんの腕を支えにして歩く=工藤さん提供、2017年撮影
認知症で要介護2の母(76)は岩手県で一人暮らし。この数年間は東京―岩手を年約20往復してきた。1回約1週間の介護帰省で、通院の付き添い、台所の片づけ、たまった新聞・ゴミの処理など様々な家事をこなす。
前回の帰省は3月下旬。本来は4月15日から岩手に入り、もの忘れ外来と、緑内障の治療をする眼科の検査、さらに歯医者にも同行する予定だった。往来自粛の呼びかけで帰省が難しくなり、県内で仕事をしている妹やホームヘルパーに付き添いの代行を頼んだ。
感染防止のための往来自粛はやむを得ないと理解している。これまでも、万が一にも帰省時に自分が感染を広げてはいけないと思い、緊急事態宣言の前から日課のスポーツクラブに通うのも控え、体調管理に気を使ってきた。
母は、訪問介護やデイサービス…
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朝日新聞社会部