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 新型コロナウイルスの感染拡大で外国人技能実習生が来日できなくなり、人手不足が心配されている農作業の支援に、農林水産省が乗り出す。野菜収穫などを担う人に、交通費や上乗せ分の労賃などを負担する補助金を設ける。事業縮小や雇い止めが懸念される観光業やタクシー業界からの受け入れを想定している。

 技能実習生の来日が見込めない農家が代わりの人を雇用した場合、上乗せ分を時給で500円まで、交通費や宿泊費も一定額を負担する。民間の人材派遣会社を通じて募集する際の経費も半額まで負担する。2020年度補正予算案に関連予算計約46億円を計上した。

 農水省によると、昨年末時点で農業分野の技能実習生は約3万2千人。今春は中国を中心に技能実習生約1900人が来日できなかった。これから収穫期を迎える関東近郊の野菜農家などで人手不足が懸念されている。

 レタス農家などが加入するJA佐久浅間(長野県佐久市)は技能実習生の受け入れ団体でもあるが、今春は100人弱の受け入れ見通しが立っていない。このしくみを利用し、営業を縮小している近隣観光地のホテルの従業員の受け入れをめざす。担当者は「出荷が本格化する5月初めまでに半数程度は確保したい」と話す。

 一方、約120人の来日が見込めないJA利根沼田(群馬県沼田市)の担当者は「近隣に大規模な観光地がなく、確保は難しい。人が集まらないと夏以降は作付けを減らさざるを得ない農家も出てくる」と頭を抱えている。(高木真也)