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 和牛の精液や受精卵といった遺伝資源を知的財産と位置づけ、流通規制を強化する家畜遺伝資源不正競争防止法と改正家畜改良増殖法が17日の参院本会議で可決、成立した。懸念される海外流出の抑止策として、不正競争防止法には罰則を盛り込んだ。今秋にも施行される。

 長年の改良によって付加価値の高まった遺伝資源を保護するのが狙い。冷凍保存した和牛の受精卵などを中国に不正に持ち出そうとした事件を大阪府警が昨年摘発したが、流出自体を止める法律がなく、適用したのは家畜伝染病予防法の不正輸出などだった。これを機に遺伝資源保護の観点から法整備の議論が進んだ。

 新法では、窃盗や詐欺などによる遺伝資源の不正取得や、契約の範囲を超えた使用、譲渡、輸出などを不正競争行為と定義。不正入手と知りながら使用・譲渡した場合も同様とみなす。不正流通を経て生まれた子や受精卵も規制対象とする。被害に遭いそうになったり、遭ったりした生産事業者は、裁判所を通じて差し止めや損害賠償を請求できるようになる。

 悪質なケースの罰則として、個人には10年以下の懲役または1千万円以下の罰金、法人に対しては3億円以下の罰金を科す。(兼田徳幸)