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 新型コロナウイルス対策で、政府が緊急事態宣言の対象を全都道府県に広げて外出自粛の徹底を呼びかける中、「ソーシャルディスタンシング(社会的距離の保持)」というカタカナ語が注目されている。感染を防ぐために他人と一定の距離をとる対策のことだ。一方で、海外ではこの言葉を「フィジカルディスタンシング」(物理的距離の保持)という言葉に言い換える動きも出てきた。なぜなのだろうか。

WHOが用語を変更する動き

 元陸上男子短距離選手のウサイン・ボルト氏が「ソーシャルディスタンシング」と説明をつけ、2008年の北京五輪で優勝した時の写真をツイッターに投稿している。男子100メートルの決勝で2位と約2メートルの差をつけてゴールする写真だ。

 ソーシャルディスタンシングという用語は欧米ではかなり浸透しており、国内の報道でも目にするようになってきたが、世界保健機関(WHO)は最近「フィジカルディスタンシング(physical distancing)」という言葉に置き換えるようになった。3月20日、WHOの会見で専門家が、「あえて言い換えているのは、人と人のつながりは引き続き維持してほしいから」と述べている。

 なぜなのか。ソーシャルには社会のほか、社交などの意味がある。ソーシャルディスタンシングは「社会的距離の保持」と訳されるが、実際には社会的や社交的に他人と距離を置いて疎遠になることを求めているわけではない。WHOは、保健当局が感染拡大を封じ込めるために物理的に人と接触する頻度の制限を勧めている場合でも、電子メール、ソーシャルメディア、ビデオ会議、電話を介して人とのつながりを維持できるとする。感染拡大でストレスや孤立を感じがちな時には、とくに人とのつながりで、体と心の健康を維持することが重要だ。

 WHO神戸センターで翻訳を手がける健康危機管理担当の茅野龍馬医官は「人と人との物理的な距離を維持することは感染予防のために極めて重要であるが、心理社会的な健康(精神的健康)のために、社会的孤立を避け、SNSや電話などさまざまな手段で人と人とのつながりを維持することが推奨されている」と話している。

 ソーシャル(フィジカル)ディ…

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