辺野古工事進める考え、河野防衛相 工事関係者が感染
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設工事で、工事に関わる業者の男性が新型コロナウイルスに感染したことを受け、沖縄県の玉城デニー知事は17日、菅義偉官房長官に電話し、工事の中止を求めた。政府側は受注業者が中止しない意向のため、工事を進めるという。
玉城氏は沖縄県でも感染が拡大していることを踏まえ、中止を要請していたと主張。「(防衛省から)返事がなく、現場でついに陽性の方が出た」と批判した。沖縄防衛局は、感染者が確認されたため、17日の作業は中断したが、18日以降は「未定」としている。玉城氏によると、電話での中止要請に対し、菅氏は「現状を確認する」と返答したという。
菅氏は17日の記者会見で、「海上工事関連従事者の1人に陽性反応が確認されたと報告を受けた」と説明。今後の対応については「防衛省が感染拡大防止に向けて適切に対応する」と述べるにとどめた。
一方、河野太郎防衛相は17日の記者会見で「受注者が工事中止の意向があるなら中止するが、今のところ示されていない」と述べ、工事を進める考えを示した。
辺野古への移設をめぐり、政府は今月中にも、軟弱地盤の改良工事にともなう設計変更を県に申請する予定だ。この点について、河野氏は「(今回の感染の)影響が出ているとの報告はない」とも述べた。(藤原慎一、寺本大蔵)
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