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 新型コロナウイルスの感染者への治療で、耳にする機会が増えた人工呼吸器と体外式膜型人工肺(ECMO〈エクモ〉)。実際にどのように使われるのか、まとめました。

 Q 新型コロナウイルスに感染した重症者が増えている。どんな治療を受けているのか。

 A 治療薬はまだなく、患者の免疫力での回復を促すのが基本だ。肺炎が悪化した場合の救命に欠かせないのが人工呼吸器だ。自力での呼吸が難しくなったとき、空気が肺に入るのを助けることができる。

 Q どんなしくみ?

 A 息を吸おうとするときに装置で空気を肺に送り込み、吐くときに合わせて圧力を下げて空気を出しやすくする。コロナ治療で主に使うのは、ベッドに寝かせた患者の口から樹脂製の管を入れるタイプだ。治療が1週間以上と長期化する場合は、のど仏のそばに小さな穴をあけてそこから管を入れる「気管切開」を行うことも多い。

 Q 声が出せなくなる?

 A 心配はいらない。回復すれば手術で穴を塞いで元通りに退院できる。でも、肺炎が全体に広がり、肺の働きが弱まると、体外式膜型人工肺(ECMO)を使うことになる。患者の静脈からチューブを通して血液を体外に取り出し、酸素を含ませるなどして再び体内に戻す装置だ。

 Q 準備は十分なのか。

 A 国内に人工呼吸器は約2万2千台、ECMOは約1400台ある。現状では余裕があるけど、感染が爆発的に拡大する「オーバーシュート」が起きると、あっという間に足りなくなるだろう。政府は業界や企業に増産を要請している。

 Q 間に合うの?

 A 国内での生産には限界がある。装置は欧米からの輸入品が多い。欧米での感染拡大で、今後は日本への輸出分が目減りするかもしれない。政府は、技術力のある自動車業界などにも部品生産をお願いしている。装置の扱いに慣れた医療スタッフの確保も欠かせない。患者の急増で医療崩壊が起きないようにすることが何より大事だ。(嘉幡久敬、戸田政考)