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 防衛省は、新型コロナウイルスの影響を受け、ソマリア沖で活動している海上自衛隊のP3C哨戒機の部隊について、4月中に予定していた交代を断念する方向で調整に入った。定期整備が必要となる機体2機だけを交換して、活動自体はいま現地にいるメンバーが継続する。

 政府関係者によると、近く防衛省が発表する方向。部隊はこれまで3カ月をめどに交代してきたが、今回の部隊は異例の長期派遣になる可能性がある。隊員には負担がかかるが、これまで成果を上げてきた海賊対処などの活動を途絶えさせないための「苦渋の決断」(関係者)という。

 P3Cの部隊は約60人で、アフリカ東部ジブチを拠点に今年1月20日から、海賊対処と、中東海域での情報収集を兼務している。当初は4月中に帰国し、次の部隊と交代する想定だった。

 ソマリアの各国の警戒活動が奏功し、一時は年間200件を超えた発生がほぼゼロになった経緯がある。ただ、海賊行為の背景にある地域の貧困問題は、新型コロナウイルスにより拍車がかかり、海賊事案が活発化してしまう恐れもある。

 自衛隊制服組トップの山崎幸二・統合幕僚長は16日の記者会見で「任務が継続するように心がけ処置していきたい」と話していた。(伊藤嘉孝、寺本大蔵)