新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が全国に広がって最初の週末となった18日、全国の観光地はひっそりと静まり返った。東北では、県境をまたいだ感染拡大を防ぐ取り組みも始まった。
宮城・松島
遊覧船、停泊のまま
年間300万人が訪れる日本三景の一つ、宮城県の松島。島々を周遊する遊覧船は港に停泊したままで、土産物店のほとんどがシャッターを下ろしていた。
「せっかくのかき入れ時なのに……。ゴールデンウィーク(GW)までの再開はもう無理だろう」。遊覧船を運航する「松島島巡り観光船企業組合」の真野和彦理事(59)は肩を落とす。3月以降、遊覧船の利用客は例年の半数以下だ。
「今は世界中が『被災地』」
9年前の東日本大震災では、約30隻の遊覧船の半数以上が津波で流されるなどの被害を受けたが、GW前には再開にこぎ着けた。「今は世界中が『被災地』みたいな感じだ。辛抱するしかないのか……」
船乗り場近くのお土産店「陸奥物産店」の相沢慶太郎店長(39)は、「うちは体力がないから店を開けるよ」。震災で自宅兼店舗が半壊し、補修にかかった費用などで3千万円の借金が残る。主婦手作りの布マスクを販売するなど工夫を凝らすが、この日の来客は10人ほど。雨脚が強まった午後2時ごろ、店を閉じた。
松島湾を望む旅館「絶景の館」は、GW中に県外を含む多くの予約が入っていたが、21日から臨時休業に。石川勇太社長は「はじめから宣言の対象を全国に広げてほしかった」と話す。
広島・宮島
目立つのはシカばかり
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